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キャッチフレーズは、「さわやか系鑑定士&会計士」〜殆ど唯一の不動産鑑定士業務中心の不動産鑑定士兼公認会計士

各種QA

最初に

不動産に普段、造詣のない方は鑑定評価に関する素朴な疑問も多いのではないでしょうか。
そのような方のために、冨田自身の経験や意見も交えつつ一般的な疑問点の説明を説明したいと思います。
なお、このサイトは冨田 建の個人的見解も交えつつ一般的な不動産鑑定評価に関するQAを説明して
いるものであり不動産鑑定評価書の理解の指針としての参考の提示にすぎません。あくまでもこのサイトの内容はご自身の責任においてご活用ください。

本ホームページ記載の情報を閲覧者が活用した事によって生じた一切の不利益について冨田会計・不動産鑑定兜タびに不動産鑑定士・公認会計士 冨田 建は責任を負いませんのでご了承ください。

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コチラ
なお、新規の弁護士・司法書士・公認会計士・税理士・行政書士等の先生が案件をご依頼頂いた場合、冨田 建の著書『弁護士・公認会計士・税理士のための不動産の法令・評価の実務Q&A』を贈呈しております。本をご覧頂いて、より適切に不動産鑑定評価書の活用が可能になります!

@ 不動産鑑定士でないと価格の査定等はしてはいけないの?

もし、あなたがその不動産の適正価値を把握したいならば、価格査定にかけられるコストにもよりますが、
不動産鑑定士による鑑定評価、もしくは価格等調査による事をお勧めします。

そもそも、不動産鑑定士以外の者が報酬を得て不動産の公正価値を査定する事は不動産の鑑定評価に関する法律に違反する事となります。
無料査定であれば違反ではありませんが、不動産鑑定士専用の種々のデータや不動産の価格に関する諸原則を無視した査定になるので精度は著しく劣ります。
これば冨田が人づてにまだ聞きした話で真偽の程は定かではないのですが、どこかの不動産鑑定業者ではない企業が業として不動産の価格調査を行っていたそうです。
もちろん、これが事実とすれば不動産の鑑定評価に関する法律に違反するので言語道断の行為ですが、その話を教えてくれた方によると素人だけにやり方も目茶苦茶であったそうです。
そんな調査報告書を信用して不動産の処分・購入・賃貸借等を行っても結局痛手を被るのは依頼者です。
そうなる前に餅は餅屋という事で、このようなケースでは不動産鑑定士にご相談される事をお勧めします。
勿論、最もその中でも最も良いのは冨田に相談される事ですが…。



A広大地とは?

相続税上、広大地とは
「住宅等を宅地・戸建分譲する事が適切な宅地であるが、既存道路の間口がせまいため分譲に際して道路を入れる必要がある広い土地」を言います。

広大地は評価が下記の補正率を考慮した額がその評価額がとなるため、節税に相当有利です。
(補正率は0.35が下限)

広大地補正率=0.6−0.05×広大地の地積÷1,000平方メートル

広大地に該当するかのチェックポイントは
・十分に大きな土地(三大都市圏の市街化区域で500u以上、非線引都市計画委区域で3,000u以上)
・工場等にすることが適切な土地ではなく
・いわゆるマンション適地ではなく(容積率300%未満である事が原則)
・宅地分譲または戸建分譲するに際しては既存の道路の間口が狭いためあらたにその土地の中に道路を築造する必要がある場合です。

しかしながら、都市計画法上の指定容積率が300%であっても建築基準法上の規定により実は基準容積率が300%未満である等、広大地に該当するか否かは実際の不動産を把握して調査してみないと分かりません。

そして、個人的には、公認会計士・税理士の先生方が考えていらっしゃるよりも広大地認定される場合は多いと感じています。

ですので、相続税を扱われている公認会計士・税理士の先生方にはこのような土地がある場合、是非、
公認会計士・税理士でもある不動産鑑定士に相談される事を強くお勧めします

なお、
公認会計士や税理士ではない単なる不動産鑑定士に広大地の相談をされる事は税理士の気持ちが本当の意味では理解できないためお勧めできません。

そして、
最もよくないのは、公認会計士・税理士の側で広大地認定はできないと即断して、実はその後に認定できた事が判明してトラブルになること
です。

冨田は広大地に該当するかどうかについての初期段階の相談は無料で応じています。相続税上で大きな土地がある場合、公認会計士・税理士の先生方、及び、相続当事者の方でも

「被相続人の方が間口が狭く、かつ、大きな土地を有していた場合」は、
是非、冨田にご相談下さい。


B 立退料はどうやって鑑定するの?

立退料は、建物を借りている権利を貸主に買い取ってもらう事になります。
ですので、建物を借りている権利、即ち、借家権の鑑定評価をもって評価する事となります。

従って、立退料の鑑定に際しては借家権の鑑定評価に依拠する事が一般的であり、具体的には下記の手法を通常はとります。

・自用の建物及びその敷地から貸家及びその敷地としての価格を控除した価格
土地+建物の原価法としての価格から収益還元価格を控除して求めます。但し、冨田の個人的な見解としては、単純に土地+建物の原価法としての価格から収益還元価格を控除したものが借家権価格になるのか、つまり貸主としての権利と借主としての権利を足して1になるのかという疑問がある他、建物全体でなくその一部の立退の場合等はそもそも純収益の把握が困難なので、あくまでも副次的な手法として考えた方がよいように思います。


・割合法による価格
主に相続税路線価の借地権割合、借家権割合により、土地価格に借地権割合と借家権割合を、建物価格に借家権割合を乗じて借家権の価格を求める手法です。
但し、相続税路線価上、借家権割合は冨田が知る限りは全国30%で一律のようであり、地域性を反映できていません。また、そもそも相続税路線価の借地権割合・借家権割合はあくまでも相続税課税用のものであり、安易に鑑定に利用するではなくその利用に慎重な検討をすべきと思います。

・賃料差額還元法による価格
立退を迫るという事は、中には心理的な嫌悪という場合もありますが、基本的には賃料が安すぎるから出て行って下さいという意図のものが多い事になります。もし逆に高いなら立ち退きどころか何とかして留まらせようとしますから。
このような賃料が安すぎる「借得部分」の、老朽化その他の理由で現在の建物賃貸借が継続できなくなるまでの残存期間における価値の総和を求める手法が賃料差額還元法による価格です。
ここで、借得部分は、残存期間における「現在の賃貸借建物を全く同一要件で新規に賃貸借する時に必要となる公正な賃料等と、現在の賃料の差額」で把握されます。
なお、価値の総和の算定に関しては、単純に差額に残存期間の年数を乗じるのではなく、割引率を考慮した複利年金現価率を乗じる事となります。

借家権の価格は、以上の手順を経て、各手法による価格の説得力に応じて、例えば賃料差額還元法による価格を重視して他を参考に留めて決定するとか、賃料差額還元法を標準とするも他2手法も比較考量して決定する等、その場合に応じて決定されます。 
      
なお、この場合、取引相手が一般の人でなく貸主・借主に限定されるので「正常価格」ではなく「限定価格」とされます。また、鑑定評価額には通常は建物内部の造作や営業補償、返還する敷金や原状回復費用等の収受は含まれていませんので、実際の裁判になったら加算する事となります。

なお、立退交渉が実際に必要となった場合は冨田をはじめとする不動産鑑定士にご相談されるのが一番です。
そして、その上で、アドバイスをお受けになりつつも、ご自身でも上記の考え方を汲み取られた上で、不動産鑑定士に全てを丸投げせず意思決定を行えば、きっとご自身の利益にかなう事と思います。



C 地代の賃料はどうやって鑑定評価するの?

不動産鑑定士は、その不動産の価格の鑑定のみならず、
「世間一般から見て妥当と判断される賃料」の公正価値も鑑定評価できます。
ですので、まず、土地の賃料(地代)の鑑定についてここではご説明したいと思います。
(土地+建物の賃料については下記D参照)

具体的には、簡単に書くと、実務上は通常は下記の手順で鑑定評価額を決定すると考えられます。
※ 鑑定評価手法の内容については上記A参照
なお、一時金等が借主から貸主へ授受されている場合は当該一時金の運用益(預かった一時金を貸主は運用し、例 えば金利相当分とかの儲けが得られる)・償却額(一時金の一部の返済が免除されているため、その分、貸主には実質的には儲けとなる)も賃料の構成要素となるため「実際に当事者間で収受する賃料」は「公正価値の賃料」から一時金の運用益・償却額相当分を控除して求める事となります。
この場合の公正価値の賃料を実際実質賃料、実際に収受する賃料を実際支払賃料と言います。
また、賃料の場合は、鑑定評価額は月額で表記する事が一般的です。
 
【地代の新規賃料の場合】
通常は、実務上は積算法による賃料と賃貸事例比較法による賃料を説得力に応じて決定します。
ただ、現実には、比較の対象となり得る都合のよい賃貸事例がない事が多いため、積算法による賃料1本で決定せざるを得ない場合も多いです。
なお、積算法による賃料とは、土地部分の取引事例比較法による価格に期待利回り(やや齟齬があるが分かり易く書くと更地価格に対する純粋な儲けの割合と考えてほぼ差し支えない。都心の地価が高い高度商業地の場合は1%台の事もありますが、それ以外の場合は普通は2〜6%前後が相場と考えられる)を乗じた額に諸経費(公租公課だけで済ますか、更に管理費用を見込むか案件によって相違がある)を加算した賃料をいいます。
また、賃貸事例比較法とは、文字通り近隣の似たような不動産の新規契約の賃貸事例に基づいて賃料を求める手法です。
なお、不動産鑑定評価基準上はこの他、企業の用に供されている不動産についてその収益を分析して賃料を決定する収益分析法も規定されていますが、あまり一般的ではなく、冨田は見た事がありません。

〔設例 C-1〕
更地価格1億円、期待利回り3%、諸経費200万円の不動産の月額新規賃料(鑑定評価額)を求めよ。
なお、近隣の賃貸事例に基づく対象不動産の賃貸事例比較法による試算賃料は年額400万円であり、積算賃料と賃貸事例比較法による賃料にウエイト付けは8:2によるものとし、収益分析法は適用しないものとする。
また、一時金等の収受はないものとする。

   答・・1億円×3%+200万円=500万円・・・積算賃料
     (500万円×0.8+400万円×0.2)÷12ヶ月=40万円⇒月額新規賃料(鑑定評価額)       

【地代の継続賃料の場合】
新規賃料とは、「取引当事者が新規に賃貸借契約を締結する際に想定される賃料」を言いますが、賃料の場合にはこれ以外に「取引当事者が既に賃貸借契約中であるが賃料を改定したい場合の公正価値」を求めるというケースもあります。このような場合で求める賃料を「継続賃料」といいます。
継続賃料の場合は、既存の契約関係にも配慮する必要があるため、下記のような手法を適用し試算賃料を求め、これらを説得力に応じてウエイト付けして鑑定評価額を決定する事となります。

・差額配分法・・・新規賃料を上記の「地代の新規賃料の場合」の方法で求めた上で、現行賃料との差額を考察し、差額のうち適切と判断される額を現行賃料に加減算して継続賃料の試算賃料を求める手法です。
通常は差額の1/2とか1/3とかを不動産鑑定士の判断に基づき加算する事が多いです。


〔設例 C-2〕
設例 C-1の場合で現行賃料が年額420万円であった。
差額は折半するものとして、差額配分法による月額賃料を求めよ。

答・・{〔(500万円×0.8+400万円×0.2)-420万円〕÷2+420万円}÷12=37.5万円 

・スライド法・・・現行賃料を定めた時点の賃料に消費者物価指数、公示価格、前面道路路線価、日銀企業サービス価格指数等を勘案して査定したスライド法による変動率を乗じて現時点の純賃料を求める手法です。必要諸経費を控除いした純賃料をスライドする方法と、賃料そのものをスライドさせる方法があります。


〔設例 C-3〕
設例 C-1・2の場合スライド法による変動率は現行賃料を定めた時点:価格時点が8:7であった。このような前提で必要諸経費を控除した純賃料をスライドするスライド法による月額賃料を求めよ。なお、現行賃料を定めた時点における年額諸経費は220万円とする。

答・・((420万円−220万円)÷8×7+200万円)÷12ヶ月=31.25万円
  
・利回り法・・・現行賃料を定めた時点の純賃料(賃料−諸経費)に対するその時点の更地価格に対する割合(継続賃料利回り)を求めて、これを現時点における更地価格に乗じて現時点の純賃料を求めて、これに諸経費を加算して賃料を求める手法です。

〔設例 C-4〕
設例 C-1〜3の場合で現行賃料を定めた時点における年額諸経費が220万円、その時点の更地価格が1.25億円であった。このような前提で利回り法による月額賃料を求めよ。

答・・〔(420万円−220万円)÷1.25億円=1.6%・・・継続賃料利回り
      (1億円×1.6%+200万円)÷12ヶ月=30万円 
  
・賃貸事例比較法・・・文字通り近隣の似たような不動産の賃貸事例に基づいて賃料を求める手法です。
新規賃料を求める賃貸事例比較法と違うのは、この場合は事例も契約更新を前提とする継続賃貸事例を選択する点です。ただ、実際には継続の賃貸事例は新規賃貸事例の場合以上に事例が乏しい上に賃貸事例自体も当事者間の特殊な事情に左右されている事が大半のため実務上は適用できない事が通常です。

・公租公課倍率法による方法・・・この方法は不動産鑑定評価基準には規定されてない手法なのですが、実務上ではときおり用いられる手法ですので説明したいと思います。
ひとつの俗説というか目安として、賃料の水準は公租公課(土地の固定資産税+都市計画税)とある程度の相関関係があると考えられます。その比率は目安として、3:1程度と言われる事が多いですが、一定の資料に基づきより精密に倍率を検討し、公租公課に査定した倍率を乗じて求める賃料を手法です。
ただ、現実には、その資料の統計が殆ど東京都内のデータであり、一部に他の県のデータもありますがごく僅かで対象不動産の存する県のデータがあるとも限らないため特に東京以外の場合は残念ながらあまり精度が期待できない場合が多いように思います。

〔設例 C-5〕
設例 C-1〜4の場合で対象不動産の公租公課は年額100万円、査定した倍率は3.9であった。
この場合の公租公課倍率法による月額賃料を求めよ。

答・・ (100万円×3.9)÷12ヶ月=32.5万円

・平均的活用利子率による方法・・・この方法も不動産鑑定評価基準には規定されていない手法なのですが、更地価格に対する継続賃料の割合を統計でまとめた平均的活用利子率に基づき賃料を求める方法です。
ときおり用いられる手法ですので説明したいと思います。
なお、この手法もまた、その資料の統計が基本的に東京都内のデータであり、東京以外の場合は残念ながらあまり精度が期待できない場合が多いように思います。

〔設例 C-6〕
設例 C-1〜5の場合で対象不動産に適用する平均的活用利子率は2.4%と査定された。
平均的活用利子率による方法での月額賃料を求めよ。  

答・・ 1億円×2.4%÷12ヶ月=20万円

で、以上の結果に基づき、この設例の場合は対象不動産の月額の賃料は差額配分法37.5万円、スライド法は31.25
万円、利回り法30万円、公租公課倍率法32.5万円、平均的活用利子率による方法20万円と試算されました。
これらの説得力に応じて、鑑定評価額を決定します。
なお、この決定に際しては、例えば差額配分法の説得力が高いと考えられればこれを重視し、他を参考に留めて37.5万円を鑑定評価額と決定したり、あるいはスライド法の説得力が高いけど公租公課倍率法にもある程度の説得力があると判断されればスライド法を標準とするも公租公課倍率法も比較考量して、他の3手法は参考に留めて31万円とする等、色々なパターンが考えられます。

D 家賃の賃料はどうやって鑑定評価するの?

家賃の場合も、新規賃料を求める場合に通常は賃貸事例比較法が適用できる点と、継続賃料を求める場合に公租公課倍率法による方法と平均的活用利子率による方法を適用がなくなる点を除き基本的には地代の鑑定の場合と同様の手法を適用する事となります。但し、諸経費は土地の場合と異なり、水道光熱費とか損害保険料等、諸々のものが増えますが。

で、一応、念のため、ここでも設例を用いて説明させて頂ければと思います。


【家賃の新規賃料の場合】
通常は、実務上は積算法による賃料と賃貸事例比較法による賃料を説得力に応じて決定します。
なお、積算法による賃料とは、土地+建物(原価法で求める)の価格(基礎価格と言います)に期待利回り(やや齟齬があるが、分かり易く書くと土地+建物の価格に対する純粋な儲けの割合と考えてほぼ差し支えない。東京都内であれば普通は4〜5%前後が相場であろうか)を乗じた額に、諸経費を加算した賃料をいいます。
また、賃貸事例比較法とは、文字通り近隣の似たような不動産の新規契約の賃貸事例に基づいて賃料を求める手法です。
なお、不動産鑑定評価基準上はこの他、企業の用に供されている不動産についてその収益を分析して賃料を決定する収益分析法も規定されていますが、あまり一般的ではなく、冨田は見た事がありません。

〔設例 D-1〕
土地+建物価格2億円、期待利回り5%、諸経費300万円の不動産の月額新規賃料(鑑定評価額)を求めよ。
なお、近隣の賃貸事例に基づく対象不動産の賃貸事例比較法による試算賃料は年額1,000万円であり、積算賃料と賃貸事例比較法による賃料にウエイト付けは2:1によるものとし、収益分析法は適用しないものとする。
また、一時金等の収受はないものとする。

答・・2億円×5%+300万円=1,300万円・・・積算賃料
     (1,300万円×2+1,000万円)÷3÷12ヶ月=100万円⇒月額新規賃料(鑑定評価額)       

【家賃の継続賃料の場合】
・差額配分法・・・新規賃料を上記の「地代の新規賃料の場合」の方法で求めた上で、現行賃料との差額を考察し、差額のうち適切と判断される額を現行賃料に加減算して継続賃料の試算賃料を求める手法です。
家賃の場合も通常は差額の1/2とか1/3とかを不動産鑑定士の判断に基づき加算する事が多いです。

〔設例 D-2〕
設例 D-1の場合で現行賃料が年額900万円であった。
差額は折半するものとして、差額配分法による月額賃料を求めよ。

答・・{〔(1,300万円×2+1,000万円)÷3−900万円〕÷2+900万円}÷12=87.5万円 

・スライド法・・・現行賃料を定めた時点の賃料に消費者物価指数、公示価格、前面道路路線価、日銀企業サービス価格指数等を勘案して査定したスライド法による変動率を乗じ現時点の純賃料を求める手法です。


〔設例 D-3〕
設例 D-1・2の場合スライド法による変動率は現行賃料を定めた時点:価格時点が5:6であった。
このような前提でスライド法による月額賃料を求めよ。
なお、スライドに際しては家賃を直接スライドさせる方法による事とする。

答・・900万円÷5×6÷12ヶ月=90万円
  
・利回り法・・・現行賃料を定めた時点の純賃料(賃料−諸経費)に対するその時点の更地価格に対する割合(継続賃料利回り)を求めて、これを現時点における更地価格に乗じて現時点の純賃料を求めて、これに諸経費を加算して賃料を求める手法です。

〔設例 D-4〕
設例 D-1〜3の場合で現行賃料を定めた時点における年額諸経費が200万円、その時点の土地+建物の基礎価格が1.75億円であった。このような前提で利回り法による月額賃料を求めよ。

答・・〔(900万円−200万円)÷1.75億円=4%・・・継続賃料利回り
   (2億円×4%+300万円)÷12ヶ月=100万円 
   
・賃貸事例比較法・・・文字通り近隣の似たような不動産の新規契約の賃貸事例に基づいて賃料を求める手法です。
新規賃料を求める賃貸事例比較法と違うのは、この場合は事例も契約更新を前提とする継続賃貸事例を選択する点です。ただ、実際には継続の賃貸事例は新規賃貸事例の場合以上に事例が乏しい上に賃貸事例自体も当事者間の特殊な事情に左右されている事が大半のため、実務上は適用できない事が通常です。

で、以上の結果に基づき、この設例の場合は対象不動産の月額の賃料は差額配分法87.5万円、スライド法90万円・利回り法100万円と試算されました。
これらの説得力に応じて、鑑定評価額を決定します。
なお、この決定に際しては、例えばスライド法の説得力が高いと考えられればこれを重視し、他を参考に留めて90万円を鑑定評価額と決定したり、あるいは利回り法の説得力が高いけど差額配分法にもある程度の説得力が有すると判断されれば利回り法を標準とするも差額配分法も比較考量(両者のウエイト付けを例えば、6:4とする)
としてスライド法は参考に留めて95万円とする等、色々なパターンが考えられます。